昭和の市民ラジオブームの生き証人

7月最初の無線ネタですが、40年近く前に全国レベルで組織された日本CB無線協会(JCBA)の事を取り上げます。この組織が発足した昭和52年当時は電子工作を趣味とする中高校生の比率が現在よりも高かった事も有り「ラジオの製作」「初歩のラジオ」など専門雑誌が発刊されていました。当時はインターネットなど無い時代でしたから全国の学生の情報源はこの2誌に集中します。おりしもBCLブームで中波帯の無線が受信できる環境が存在した事やアマチュア無線が趣味の王様と呼ばれ免許の取得の難易度が今より高くて中高生の憧れの対象だった背景も有り、めぐろE55こと皆川さん(故人)さんがラジオの製作に掲載した市民ラジオの記事がきっかけとなり、瞬く間に市民ラジオブームが沸き起こりました。市民ラジオはソニーとナショナルの2強体制でしたが、ソニーの方が広告のキャッチコピーも上手だった上、業務機として使われる事が多かった市民ラジオをいち早く学生を中心としたユーザー寄りの対応(全国移動キャラバン隊を組織して記念カード発行)に移した事も有って人気が集まりました。

以前にアップしたブログでも紹介していますが、昭和52年頃は市民ラジオを先取りした愛好家に合法と違法の垣根が無く、中高生も小遣いで買える安い輸出用CB無線機を市民ラジオの代用として罪悪感無く利用している時代でした。そんな中、先に紹介しました皆川さんがラジオの製作に投稿したコラム記事が人気を集め、それまで雑誌広告に堂々と掲載されていた輸出用CB無線機の広告も無くなるなど一気に合法市民ラジオを利用する気運が高まりました。その当時の市民ラジオブームの時代に雑誌の誌面上で会員を集めていたのが今回紹介する日本CB無線協会(JCBA)です。活動の内容は次の通りです。(間違いや不足有りましたらコメント下さい)

■年会費
3200円
■受けられたサービス
・会員証/会員シールの発行
・会報の発行
・アマチュア無線免許取得の教材の斡旋
・専用ログブックの発行
・QSLカード転送
・コールサイン発行(検定機→技適機移行後)

当時は草の根レベルで学生が中心となって全国に市民ラジオのクラブが発足していましたから、JCBA加入はステータスだったと記憶しています。1エリアで某局とお会いしました際、当時の配布物を見せて頂きましたので紹介します。

会員の証であるJCBAシールです。今でも貼られた無線機をヤフオクで見ますね。

CB無線百科です。運用ノウハウや交信相手との親睦の取り方が紹介されています。


会報です。この号には電波法改正で検定機から技適機に変わる事が記載されてます。


この団体は、皆川さんでなくアマチュア無線の入門書の著者である大沢幸夫さんが監修をされていました。団体としての活動はブームが下火になった1984年近くまで存在したようです。JCBAと同じ住所で1980年から日本パーソナル無線協会(JPR)も発足しています。

紹介は以上です。地元の東海DXクラブは当時からずっと続いていますので凄い事だと思います。今後の活動に期待しています。


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この記事へのコメント
JCBAシール懐かしいですね~。おまけに綺麗ですね。貴重品ですね。
Posted by ながのCZ57 at 2016年07月19日 22:00
ながのCZ57局

さらにビックリしたのは所有者がJCBA現役時代でなく解散後に誕生した方である事なんですよ。
Posted by シズオカAB635/JG2PLRシズオカAB635/JG2PLR at 2016年07月19日 22:10
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